諦念の砂中

砂漠の旅に慣れすぎて
遠くにオアシスが霞んでも
蜃気楼と断ずる私は
渇しても泉にありつくことはない


特段目的地があるわけでなし
泉に向かわないのは
偏に今まで何度も味わった
希望が打ち砕かれる
落胆を厭うからなのだろう


身体中の水分という水分を失ったなら
私はようやくこの旅を終えて
優しい諦念の砂中に憩うことができるのに


生乾きのこころがまだ求めていて
徒労に過ぎない一歩を踏み出すことを
やめられずにいる